Yamaha clavinova clp-870 User Manual

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スケール
[F2.Scale] 
(音律[調律法]の設定)
スケール
・ Scale=音階
音律
(調律法)
を選ぶ機能です。
現在もっとも一般的なピアノの調律法
「平均律」
が完
成するまでには、時代と共に様々な音律が考えられ、
またそれによる音楽が誕生しました。
当時の調律法で演奏することでその曲が誕生した時
の響きを味わうことができます。
次の7種類の音律(調律法)
が用意されています。
イコール テンペラメント
平均律 
(Equal Temperament)
1オクターブを12の間隔で等分した音律です。現在もっとも
ポピュラーなピアノの調律法です。
ピュア テンペラメント
メジャー
純正律(長調) 
(Pure Temperament)
(Majer)
ピュア テンペラメント
マイナー
純正律(短調) 
(Pure Temperament)
(minor)
自然倍音を基準とするため、主要3和音が美しく純粋に響く
のが特長です。現在でも合唱のハーモニーなどで見られま
す。
ピタゴリアン テンペラメント
ピタゴラス音律 (Pythagorean Temperament)
ギリシャ時代の哲学者ピタゴラスによって考えられた5度音程
だけの組み合わせからできた音律です。3度はうなりが生じま
すが5度と4度の音程が美しく、旋律の演奏に向いています。
ミーントーン テンペラメント
中全音律 
(Meantone Temperament)
ピタゴラス音律の3度の音程のうなりをなくすために改良さ
れた音律です。
十六世紀後半から十八世紀後半までにかけて広く普及し、
ヘンデルも使用しました。
ヴェルクマイスター
ヴェルクマイスター音律 
(Werckmeister)
キルンベルガー
キルンベルガー音律 (Kirnberger)
中全音律とピタゴラス音律を組み合わせた音律で、両者は
その組み合わせ方が異なります。転調により曲想が変化す
るのが特長です。
バッハやベートーベン時代に使用され、現在でもその時代の
音楽をハープシコード
(=チェンバロ)
などで演奏するときに
はしばしば用いられます。
CLP-870 
ファンクション
チューン
[F1.Tune]
(全鍵盤の音程の微調整)
チューン
・ tune=音程を合わせること
楽器全体
(88鍵盤すべて)
の音程を微調整する機能
です。合奏のときなどほかの楽器と音程を正確に合
わせたいときなどに使用します。
各ファンクション項目の説明
1
チューン
ファンクションモードに入り、大項目[F1.Tune]
を選び
ます。
BRILLIANCE
REVERB
EFFECT
TOUCH
NORMAL HALL1
MEDIUM
TEMPO
2
1
ヘルツ
A3
の鍵盤の音程をHzの数値で示します。
ノー
イエス
ヘルツ
【−/
NO
】 
【+/
YES
】で数値を設定します(約0.2Hz単
位)
設定範囲:
ヘルツ
414.8∼466.6
(Hz)
基本設定:
ヘルツ
440.0
(Hz)
ヘルツ
・ Hzとは…
音の高さを示す単位です。
(音の高さは音波の振動数に
よって決まります。1秒間に何回振動するかという数値の単
ヘルツ
位がHzです。)
2
 鍵盤を使った設定方法もあります…(ファンク
ションモードでないときに操作できます。)
ヘルツ
音程を上げる
(約0.2Hz単位)…
A-1とB-1(左端の白鍵2つ)
を同時に押したまま、C3∼B3の1つ
の鍵盤を押す
ヘルツ
音程を下げる
(約0.2Hz単位)…
A-1とA-1
(左端の白鍵と黒鍵)
を同時に押したまま、C3∼B3の
1つの鍵盤を押す
基本設定に戻す…
A-1とA-1とB-1(左端の白鍵2つと黒鍵1つ)
を同時に押したま
ま、C3∼B3の1つの鍵盤を押す
・ 鍵盤と鍵盤名の対応については、P50「各部の名前」
をご参
照ください。
ヘルツ
 約1Hz単位で設定する方法もあります…(ファンク
ションモードでないときに操作できます。)
ヘルツ
約1Hz単位で音程を上下させる…
「A-1とB-1」
または
「A-1とA-1」
(左端の白鍵2つ、
または左端の
ノー
イエス
白鍵と黒鍵)
を同時に押したまま、
【−/
NO
】 
【+/
YES
を押す
基本設定に戻す…
「A-1とB-1」
または
「A-1とA-1」
(左端の白鍵2つ、
または左端の
ノー
イエス
白鍵と黒鍵)
を同時に押したまま、
【−/
NO
【+/
YES
を同
時に押す
チューン
(上記操作中、画面が
[Tune ###.#]
 に切り替わります。操
作後元の画面に戻ります。)