Fujitsu 163-0731 User Manual

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第  FRAM グリーン化の取組み  
7.3 FRAM の鉛フリー化の取組み
FRAM のグリーン化は , 前項の指定有害物質規制のルールに従って , 購入部材 , 製造時に使用する   
部材 , 含有物質の廃止を進めています。本項では特に指定有害物質の一つである鉛に関する当社の取 
組みを紹介します。
鉛は電子部品の接合材料として , 鉛はんだ(例えば Sn63%-Pb37% のいわゆる共晶はんだ)という 
形で多くの部材に使われてきました。パッケージのリードなどにはんだメッキが代表的な用途です。
さらに FRAM 固有の特徴として , 強誘電体キャパシタを構成する材料(チタン酸ジルコン酸鉛: 
PbZrTiO
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(PZT と略記))の中に鉛が含まれています。
その他の指定有害物質は , FRAM では初めから使われていないか , あるいは遅くとも 2005 年度末ま  
でに使用を取りやめる予定です。
次に , これらのグリーン化の取組みについてご紹介します。
なお , 鉛の健康影響に関しては , 米国の EPA(米国環境保護庁)や ATSDR(米国有害物質疾病登  
録局)の報告書などに詳しい記載があります(参考文献 : *4, *5)。
■ 鉛フリーパッケージ
パッケージには回路基板との接合方式が , リードタイプのものとボールタイプのものがあります。
図 7.1 にリードタイプの一例(SOP パッケージ)を示します。これまでリード部分のはんだメッキ
には , 鉛はんだ Sn90%-Pb10% が使われていました。この部材の鉛フリー化は既に完了していますの 
で , お客様の要望があれば鉛フリーはんだをメッキしたパッケージをご提供できます。なお , 当社標  
準の鉛フリーはんだ組成は Sn98%-Bi2% を用いています。
図 7.2 にボールタイプの一例(FBGA パッケージ)を示します。これまでのはんだボールの組成は
Sn63%-Pb37% が使われていました。この部材についても鉛フリー化が完了しており , お客様のご要望 
があれば鉛フリーはんだボールを用いたパッケージをご提供できます。なお , 当社標準のボールの組 
成は Sn96.5%-Ag3%-Cu0.5% を用いています。
標準の鉛フリーはんだは , 当社がウィスカ , 濡れ性 , 接合強度 , コストを総合評価し , 最良として推     
奨するものです。さらに , 接合部のリード引張り強度 , 温度サイクル , 落下試験 , 振動試験などを行    
い , 従来はんだと同等の性能を検証しています。二次実装性についても , 従来はんだや鉛フリーはん  
だを用いても問題ないことを確認しています。
代表的な表面実装型パッケージのラインナップは , 当社の電子デバイス技術解説ウェブページ(参 
考文献 : *6)に示しています。
なお , FRAM 実装時の IR リフローなどの耐熱性保証温度は , 最高温度を 250 ℃と規定しています。  
実装時にご配慮をお願いいたします。
図 7.1 SOP パッケージの模式図
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LSI 
 0.65mm