Sybase IQ 12.7 User Manual

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 6 章    パフォーマンスのモニタリングとチューニング
パフォーマンス&チューニング・ガイド
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バッファ・キャッシュの構造
Sybase IQ では、システム上の CPU の数に応じて、バッファ・キャッシュの
キャッシュ・パーティションの数が自動的に計算されます。マルチ
 CPU 構成
で ロ ー ド ま た は ク エ リ の パ フ ォ ー マ ン ス が 予 想 よ り 悪 い 場 合 は、
CACHE_PARTITIONS データベース・オプションの値を変更するとパフォーマ
ンスが向上することがあります。詳細については、
Sybase IQ リファレンス・
マニュアル』の
バッファは、キャッシュの
 LRU (Least Recently Used) 側の終端に近づくと、
ウォッシュ・マーカを越えます。
Sybase IQ は最も古いページ ( ウォッシュ・
マーカを越えたページ
) をディスクに書き出して、そのページが占有していた
キャッシュ領域を再利用できるようにします。スイーパ・スレッドと呼ばれる
Sybase IQ 処理スレッドのチームが、最も古いバッファを一掃し (書き出し) ます。
データのページをキャッシュに読み込む必要がある場合、
Sybase IQ は LRU
バッファを取り込みます。バッファがまだ「ダーティな」
( 変更された ) 状態
の場合は、先にバッファをディスクに書き込む必要があります。モニタ
 -cache
レポートの
 [Gdirty] カラムは、LRU バッファをダーティな状態で取り込んだた
めに、
Sybase IQ がそのバッファを使用する前に書き出す必要があった回数を
示します。
通常、
Sybase IQ では [Gdirty] の値が 0 に維持されます。この値が 0 より大
きい状態が長時間続く場合は、スイーパ・スレッドの数とウォッシュ・マー
カを制御するデータベース・オプションを調整する必要があります。詳細
については、
Sybase IQ リファレンス・マニュアル』の
を参照してください。
バッファ・マネージャのスラッシングの回避
オペレーティング・システムによるページングは、使用可能な空きメモリを超え
るバッファを必要とするクエリに影響します。特に、バッファ・キャッシュにさ
らに多くの物理メモリを割り付けようとすると、ページングが少々必要です。た
だし、物理メモリをバッファ・キャッシュに過度に割り付けると、オペレーティ
ング・システムによるページングの発生頻度が高くなり、システム全体がスラッ
シングする原因となることがあります。逆に、バッファ・キャッシュに十分なメ
モリを割り付けないと、
Sybase IQ がスラッシングしてしまいます。
オペレーティング・システムがディスクにページ・アウトする最適バッファの
量を減らした場合、バッファ・マネージャはこれらのバッファをメモリに戻す
ためにディスクから余分に読み込みを行わなければならないため、バッファ・
マネージャのスラッシングが発生します。
Sybase IQ では、ディスクにフラッ
シュするための最適なバッファを把握しているため、ページ・アウトの全体の
数を減らすことによって、このようなオペレーティング・システムによる干渉
を回避できます。