Yamaha MG4FX Manuale Utente

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MG12/4FX
 
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ステップアップガイド
ミックスにルールはありません。ミックスする人が一番やりやすい方法でシステムを作り上げていけばよいのです。ただし、
「作
り上げていく」ということがポイントであり、決して偶然にできるということではありません。音源に適したシステム的なアプ
ローチをすれば、より良いミックスを作り出すことができます。ここでは、ミックスの実践的なノウハウをいくつか紹介します。
5-1. フェーダーを下げた状態からの音量調整
単純なことですが、ミックスを始めるにあたって、チャンネルフェー
ダーはすべ て下げてしまうこと をおすすめします。すべ てのフェー
ダーを標準 の位置にしておいて 始めることもできま すが、この方法
では音のバ ランスの感覚がわか らなくなってしまい ます。したがっ
て、フェーダー を全部下げた状態か ら一つ一つ上げてい くようにし
ます。でも、どのチャンネルから始めれば良いのでしょうか?
ここでは 2 つの例を紹介します。
 
ex
ピアノトリオがバックのバラード
ボーカルが重要な鍵をにぎるバラード調の曲であれば、ボーカル
を基 準と して ミッ クス をして いく のが 良い でし ょう。つ まり、
ボー カルのチ ャンネル のフェー ダーを最 初にノミ ナルに持 って
いき、それからほかの楽器を加えていきます。ボーカルの次にど
のパ ート を追 加し てい くかは、 演奏し てい る楽 器の タイ プや、
ミックスをする人の好みにもよりますが、このケースならば、次
にピアノを持ってくるのが良いでしょう。ボーカルとピアノの関
係を調整してから、ベースとドラムを全体のバランスに注意しな
がら加えていけば良いでしょう。
ファンキーな R&B
ノリを重視したファンキーな R&B のナンバーをミックスすると
きは、アプローチはまた違ってきます。この場合、ほとんどのエ
ンジニアはドラムを基準とし、次にベースを追加していきます。ド
ラムとベースの関係は「ドライブ感」やその曲のノリを出すのに
極めて重要なポイントです。特にバスドラムとベースとの連携に
注意してみてください。ほとんど 1 つの楽器のように聞こえるは
ずです。バスドラムがパンチを与え、ベースがピッチを与えます。
5-2. バランスを取るためのパン
パン(PAN)は、
「パノラマ(Panorama)」を語源として生まれた
言葉で、日本語では「定位」とも呼んでいます。
ステレオサウンドの場合に、L と R 間のレベルの差を調整するのに
パンを使います。
私たちの耳は、音が L 側のスピーカーだけから出ていると、そのパー
トが L 側で演奏しているように感じ、L と R のスピーカーから同じ
音量で音が 出ていると、そのパート が2つのスピーカー の真ん中で
演奏してい るように感じます。こ の人間の感覚を利用 して、お互い
の音がぶつ かり合わないように左 右に振り分けてスペー スを確保し
てあげるのが、パンの役割です。
■ 分散させよう!
ミックスで 各楽器の音作りが終 わったら、チャンネルご とに定位を
決め、全体のバ ランスをとってい きます。音どうしの関 係を強調す
るために、意図 的にそれぞれの音 を近づけて定位させ たり、重ね合
わせ るよ うな 場合も あり ます。パ ンを使 った 定位の させ 方に も決
まっ たル ール はあり ませ んが、低 音楽器 やそ の曲に とっ て大 切な
パートの音 を真ん中に定位させ、左 右に振ったそのほか の音はでき
るだけ左右 対称に振り分ける のがコツです。一般的に は、ボーカル
やソロ楽器、ベ ース、バスドラムやス ネアなどは真ん中 に定位させ
ます。
ただし、左右に極端に振り分けると、ライブ SR ではどちらか片方
のスピーカ ーの近くにいるリスナ ーにとってとてもアン バランスな
ミックスに聞こえてしまいます。
定位のさせ方も、ライブ SR 用と録音用とでは若干違いますので注
意が必要です。
5. より良いミックスのためのノウハウ
このようにミックスにルールというものはありませんが、大まか
なテクニックはあるのです。