Petzl B71 ユーザーズマニュアル

ページ / 23
20
B71 ASAP     B715000F (271108)
(JP)日本語
図に示された使用方法の中で、×印やドクロマークが付いていな
いものだけが認められています。 最新の取扱説明書はウェブサイト
(www.alteria.co.jp)で参照できますので、定期的に確認して下さい。 
疑問点や不明な点は(株)アルテリア(TEL04-2969-1717)にご相談
下さい。
アサップ B71 
ロープ用モバイルフォールアレスター 
オーケー トライアクトロック M33 TL 
ダブルオートロッキングカラビナ
用途について
この製品は個人保護用具(PPE)です。 この製品は、ロープを使用し
たフォールアレストシステムを構成する用具の1つであり、1人の
人の墜落を止めるようにデザインされています。 
『アサップ』は手で操作をしなくてもロープ上を上下両方向に移
動します。 下方へ急激に動くと、器具がロープ上でロックします(下
降速度が速すぎる場合、作業中にバランスを失った場合、墜落し
た場合等)。 
『オーケー トライアクトロック』は『アサップ』とハーネスをつなぐコ
ネクターとして特別にデザインされたカラビナです。 
製品に表示された破断強度以上の荷重をかける使用や、本来の用
途以外での使用は絶対に避けて下さい。
警告
この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。 
ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこ
ととします。
使用する前に必ず: 
- 取扱説明書をよく読み、理解して下さい 
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けて下さい 
- この製品の機能とその限界について理解して下さい 
- 高所での活動に伴う危険について理解して下さい
これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の障害や死に
つながる場合があります。
責任
警告:使用前に適切なトレーニングが必要です。 
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいは
それらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用
して下さい。 
ユーザーは各自の責任で適切な技術及び確保技術を習得する必
要があります。 
誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、傷害、死
亡に関してもユーザー各自がそのリスクと責任を負うこととします。 
各自で責任がとれない場合や、その立場にない場合はこの製品を
使用しないで下さい。
各部の名称
アサップ
(1)本体 (2)アタッチメントホール (3)セーフティキャッチ (4)ア
ーム (5)ジャミングローラー (6)保護カバー (7)キーパーコード取
り付けホール
オーケー トライアクトロック
(8)本体 (9)ゲート (10)ロッキングスリーブ (11)ヒンジ 
主な素材:アルミニウム合金(本体、アーム、カラビナ)、 クロムメッ
キスチール(ジャミングローラー)、ステンレススチール(セーフティ
キャッチ)、ナイロン(保護カバー)
点検のポイント
毎回、使用前に以下の確認作業を行って下さい:
- 『アサップ』の点検:本体、アタッチメントホール、保護カバー(亀
裂、キズ、変形、磨耗、腐食等)、そしてアームのばねの状態をチェッ
クして下さい。 セーフティキャッチが本体とこすれ合わないことを
確認して下さい。 ジャミングローラーを両方向に一回転させ、 スム
ーズに回ることを確認して下さい。 ジャミングローラーの歯が汚れ
ていないこと、またすり減ってもいないことを確認して下さい。
警告:歯が1つでも欠けている場合は、
『アサップ』を使用しない
で下さい。 歯が汚れている場合の手入れ法については、メンテ
ナンス、クリーニングの項を参照下さい。
- 『オーケー トライアクトロック』の点検(本体、ゲート、ヒンジ、ロッ
キングスリーブ) ゲートを開いて指を放し、正常に閉じてロックされ
ることを確認して下さい。 ゲート上部のキーロックスロットに泥や
小石等が詰まらないようにして下さい。 
- ロープは製造元の取扱説明書に従って点検してください:一度『ア
サップ』を使用して墜落を止めたロープは使用しないでください。ま
たコア(芯)が傷んでいたり、外被に傷があったり、ロープに有害な
化学製品との接触があったロープも使用しないでください。 
最後に『アサップ』をロープにセットして作動点検をして下さい(
図2)。 
各PPE(個人保護用具)の点検方法の詳細についてはペツルのウェ
ブサイト(www.petzl.com/ppe)もしくはPETZL PPE CD-ROMを参
照下さい。 
もしこの器具の状態に関する疑問があれば、
(株)アルテリア
(TEL:04-2969-1717)にご相談下さい。
適合性
この器具が、システムで使用されているその他の器具との使用に適
している(併用された時に個々の器具の機能が妨げられない)こと
を確認して下さい。
- 『アサップ』を取り付けるロープ 
EN 353-2: モバイルフォールアレスター(取付用のロープ/ワイ
ヤーを含む)に関するヨーロッパ基準
『アサップ』は、EN353-2 2002基準の適合試験において、EN1891タ
イプA基準に適合した以下のセミスタティックロープとの組み合わ
せで認証を受けました: 
- ペツル 『パラレル 10.5 mm』
(縫製処理された末端、ポリアミド製) 
- ペツル 『アクシス 11 mm』
(縫製処理された末端、ポリアミド製) 
- べアール 『Antipodes 10.5 mm』
(縫製処理をされた末端、ポリ
アミド製) 
- べアール 『Antipodes/Industrie 11 mm』
(縫製処理をされた末
端、ポリアミド製) 
- エーデルワイス 『Rescue 13 mm』
(縫製処理をされた末端、ポリ
アミド製) 
その他のロープでの適合試験も進めています。ウェブサイト(www.
petzl.com/ASAP)を参照して下さい。 
レイドロープ及び縒りロープは使用しないで下さい。
EN 12841 2006:墜落からの保護を目的とした個人保護用具 
ロープアクセスシステム ロープアジャストメントデバイス 
- Type A = ロープアジャストメントデバイス(個人保護用具)
EN 12841:2006 タイプ A の要求事項を満たすためには、EN 1891 
タイプ A に適合した直径 10~13 mm のセミスタティックロープ(
コア + シース)を使用する必要があります。 (認証テストではベア
ール『Antipodes 10 mm』、エーデルワイス『Rescue 13 mm』が使
用されました)
- コネクター、エネルギーアブソーバー付ランヤード:
『アサップ』は必ず: 
- 『オーケー トライアクトロック』を使用して、ハーネスやエネルギー
アブソーバー付ランヤードに取り付けて下さい 
- 以下のエネルギーアブソーバー付ランヤードのみを使用してくだ
さい: 『アサップソーバー』
(L71) アブソービカ』
(L57)
エネルギーアブソーバー付ランヤードの長さを伸ばして使用し
ないで下さい。
(両端にそれぞれコネクターを1個付けた長さが
限度です).  
上記以外のアブソーバー、ランヤードは使用しないで下さい。
- アブソーバーをハーネスに取り付ける場合は、使用するコネクタ
ーがハーネスのフォールアレストアタッチメントポイントの形状や
大きさに適していることを確認して下さい。 
『アサップ』と併用する器具(アンカー、ロッキングカラビナ、アブ
ソーバー等)は全てヨーロッパ基準に適合していなければなりま
せん。 
製品の適合性に関して疑問点があれば(株)アルテリア(TEL:04-
2969-1717)にご相談下さい。
図1.セット
1A. ロープのセット
- 親指でアームを押し、ジャミングローラーを下に引いて下さい 
- 本体に記された矢印(UP)の向きにあわせてロープをセットし、ジャ
ミングローラーを放して下さい このとき矢印(UP)は吊元の方を向
いていなければなりません。
『アサップ』には使用できる向きがあり、1方向の動きに対して
のみロック機能が働きます。 警告、死の危険:上下逆向きにセッ
トすることは絶対にしないで下さい。
1B. 『アサップ』をハーネスまたはエネルギーアブソーバー付ラ
ンヤードに取り付ける場合
必ずロッキングカラビナ『オーケー トライアクトロック』を使用して
下さい。 カラビナは常にゲートを閉じ、ロックされた状態で使用し
なければなりません。 ゲートが開いた状態では、カラビナの強度
は大幅に低下します。 カラビナの強度は、ゲートが閉じられ、縦軸
方向に正しく荷重がかかったときに最大になります。 縦軸以外の
方向に荷重がかかった場合は強度が低くなります。 また、カラビナ
は、必ず動きを妨げるものがない状態で使用して下さい。 カラビ
ナの動きが妨げられたり、外部からの圧力がかかったりすると強度
は低下します。
1C. 警告、死の危険:カラビナは、2つのアタッチメントホール
を通してクリップして下さい。図1Bのようにロープがカラビナの
内側を通ってセットされていることを必ず確認して下さい。
1D. フォールアレスとシステムは、必ずハーネスのフォールアレ
ストアタッチメントポイントに連結して下さい。
図2.作動点検
毎回、使用前に、ロープが正しく取り付けられていること、器具が正
しく作動することを確認してください。確認作業は必ずセルフビレ
イをとった状態で行って下さい。 
『アサップ』がロープ上を上下にスムーズに動くことを確認して下
さい。 正しくセットされていると、スムーズに動きます。 下方に動か
すと、ジャミングローラーがスムーズに回転します。 
墜落した場合に動く方向に強く引き、ロック機能が作動するかテス
トして下さい。 
テストをした後はロックを解除して下さい。
図3.ロックの解除
『アサップ』にかかっている荷重を抜き、ジャミングローラーをロ
ープに押し付けた状態で、“カチッ”と音がするまで上に動かして
下さい。
図4.取り外し
ロープから取り外すときは図のようにして外すか、取り付けの手順
を逆に行って下さい。
衝撃吸収機能付ランヤード
ユーザーとロープの間に距離を確保し、さらに動きやすくするため
には、ペツルのエネルギーアブソーバー付ランヤード(上記リスト
参照)を使用して『アサップ』をハーネスに取り付けて下さい。 
警告: 長いエネルギーアブソーバー付ランヤードを使用すると、そ
の分、墜落距離が長くなります。
図5.クリアランス = アサップと地面または障害
物の間の空間
墜落した場合に途中で障害物にあたることを回避するため、ユーザ
ーの下には必ず十分なクリアランスを確保して下さい。 
クリアランス = L(『アサップ』とハーネスの連結部の長さ) + 1mの
停止距離(『アサップ』がロックするまでの距離とエネルギーアブソ
ーバーが裂けたときの長さ) + 2.50 m (ユーザーの身長とシステム
全体の伸縮性)
図6.注意点
- 『アサップ』と吊元との間のロープは常にたるみがない状態でな
ければなりません。 ユーザーは常に吊元よりも低い位置で作業を
して下さい。 
- 『アサップ』はロープ上でスムーズに動くことができなければなり
ません(ロープの結び目や傷んだ箇所、またエネルギーアブソーバ
ー付ランヤードがロープに巻きつくこと等に注意して下さい)。 警
告:障害物によって器具の動きが妨げられないようにして下さい。 
小石、泥、木の枝、コード、衣服、塗料等の障害物によって、
『アサッ
プ』の機能が妨げられることがないようにして下さい。
- 作業環境によっては、器具の落下を防ぐため、全ての装備をコー
ドなどを使って確保することが必要になります。 『アサップ』を誤っ
て落とさないようにするためには、コード取り付け用ホール(7)を
使って、
『アサップ』と『オーケー トライアクト』をコードで結びつけて
下さい。方法についてはウェブサイト(www.alteria.co.jp)を参照下
さい。 警告、死の危険:コードを誤った方法で取り付けると、
『アサッ
プ』の機能の妨げとなり、ロックしない場合があります(例:コードが
ジャミングローラーに絡まる)。 
- 塗料やセメント等が『アサップ』に付着しないようにして下さい 警
告、死の危険:ジャミングローラーが詰まり、正常に機能しなくなる
恐れがあります。 
- ロープの末端にストッパーノットを結ぶことを忘れないで下さい 
- ロープにおもり(1 kg)を付けたり、
『アサップ』の下方でロープを
支点に結び付けることにより、操作することなく『アサップ』がロープ
上を上方にスライドするようにできます 
- 墜落の危険性、及び墜落の際の落下距離は、最小限に抑える必
要があります 
- とがった角やざらざらした壁面など、ロープを傷つける可能性の
あるものとロープが接触しないよう注意して下さい
メンテナンス、クリーニング
『アサップ』:
ブラシを使い中性洗剤で『アサップ』をクリーニングして下さい。 水
で流し、よく乾かして下さい。 この方法で不十分な場合は、ペイント
ブラシのクリーニングに使用する溶剤でクリーニングして下さい。
ただし、
『アサップ』を溶剤に浸したり、沈めたりしないで下さい。
ダメージや故障の原因になる可能性があります。
『オーケー トライアクトロック』:
『アサップ』とクリーニング方法は同じです。 必要に応じてヒンジ、
スプリング、ロッキングスリーブにシリコンオイルを注して下さい。
ロープ:
ロープは、合成繊維のブラシを使い、きれいな低温の水道水で洗
って下さい。洗剤を使う場合は、中性洗剤もしくはロープ専用の洗
剤を使用して下さい。 ロープ製造メーカーの取扱説明書に従って
ください。
関連するヨーロッパ基準について
EN 12841:2006
『アサップ』はEN12841 2006に適合したロープアジャストメントデ
バイスです。作業ロープに問題が生じた際に墜落を止める働きをし
ます(図5.クリアランスを参照して下さい)。 
バックアップ用ロープを、ワークポジショニングのために使用しな
いで下さい。 
- 衝撃荷重によってロープはダメージを受けます  
最大許容荷重:100 kg
EN 365
EN 365基準の要求事項: 適合性、トレーサビリティ
レスキュープラン
ユーザーは、この製品の使用中に問題が生じた際にすみやかに対
処できるよう、レスキュープランとそれに必要となる装備をあらかじ
め用意しておく必要があります。 適切なレスキュー技術を身につけ
ておく必要があります。
支点: 高所作業
システム用の支点はユーザーの体より上にとるようにしてください。
支点は、最低でも10 kNの破断強度を持ち、EN 795 基準を満たして
いなければなりません。
その他
- 警告:複数の器具を同時に使用する場合、1つの器具の安全性
が、別の器具の使用によって損なわれることがあります。 
- ユーザーは、高所での活動が行える良好な健康状態にあることが
必要です。 警告:動きの取れない状態のまま吊り下げられると、ハ
ーネスを着用していても重度の傷害や死に至る危険性があります。 
- この製品を使用する作業方法が、地域の行政機関が定める規則や
基準に適合していることを確認して下さい 
- 併用するすべての用具の取扱説明書もよく読み、理解して下さい 
- 取扱説明書は、製品と一緒にユーザーの手に届かなければなりま
せん。 この製品を販売する場合、販売者はその国の言語に訳され
た取扱説明書を添付しなければなりません。
一般注意事項
耐用年数 / 廃棄基準
ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、製造日から
数えて最長10年です。 金属製品には特に設けていません。 
注意:極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が生じ、その
後使用不可能になる場合があります(劣悪な使用環境、鋭利な角と
の接触、極端な高/低温下での使用や保管、化学薬品との接触等) 
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないで下さい: 
- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上経過
した 
- 大きな墜落を止めた場合や、非常に大きな荷重がかかった 
- 点検において使用不可と判断された。 製品の状態に疑問がある 
- 完全な使用履歴が分からない 
- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新しい製品
との併用に適さない等の理由で、使用には適さないと判断された
使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃
棄して下さい。
製品の点検
毎回の使用前の点検に加え、定期的にPPEに関する十分な知識を
持つ人物による綿密な点検を行う必要があります。 綿密な点検を行
う頻度は、使用の頻度と程度、目的により異なります。また、法令によ
る規定がある場合はそれに従わなければなりません。 ペツルは、少
なくとも12ヶ月ごとに綿密な点検を行うことをお勧めします。 
トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付いている
タグを切り取ったり、マーキングを消したりしないで下さい。 
点検記録に含める内容:用具の種類、モデル、製造者または販売元
の名前と連絡先、製造番号、認識番号、製造日、購入日、初めて使用
した時の日付、次回点検予定日、注意点、コメント、点検者及びユー
ザーの名前と署名。 
点検記録の見本はwww.petzl.fr/ppeまたはPetzl PPE CD-ROMで
ご覧いただけます。
持ち運びと保管
紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で保管して
下さい。必要に応じて洗浄し、直射日光を避けて乾燥させて下さい。
改造と修理
ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パーツ交
換は除く)。
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。 
以下の場合は保証の対象外とします:通常の磨耗や傷、酸化、改造
や改変、不適切な保管方法、メンテナンスの不足、事故または過失
による損傷、不適切または誤った使用方法による故障
責任
ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、製
品の使用から生じた直接的、間接的、偶発的結果またはその他のい
かなる損害に対し、一切の責任を負いかねます。